ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

RGBを操って完成を目指す異色パズル『チョロQ ホリデーパズル』

シティミュージックが似合いそうな鮮やかな色使いが、いかにも休日っぽさを醸し出しているイラストが描かれています。右下には、制作を手がけたソフトハウス・工画堂の権利表記が書かれているのもわかります。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回の題材は、玩具メーカーのタカラが1983年9月に発表したブランド“PHOENIX”から発売されたパズルゲーム『チョロQ ホリデーパズル』を取り上げました。

 玩具メーカーのタカラ(当時)が1983年8月に発表した新ブランド“PHOENIX”は、同社がそれまでに培ってきた玩具のノウハウをフルに活かしたそうで、総じてファミリー志向が強いことが特徴として挙げられました。ゲーム進行が和やかで、1~4人プレイ出来るタイトルなどがラインアップに用意されていたのですが、そんな“PHOENIX”ブランドから登場したパズルゲームのうち、タカラの売れ筋商品「チョロQ」を使用したスライドパズルゲームとしてデビューしたのが、今回取り上げる『チョロQ ホリデーパズル』です。

ロード中には、このような画面が表示されます。その後に完成図となるタイトル画面が描かれますので、今ならここをスマートフォンなどで撮影しておくと進めやすくなります。

 発売日ですが、権利表記が1983年と入っているものの、その年に登場したPHOENIXブランドタイトルは、1983年8月20日発売の『原田知世の時をかける少女』『アップルーン』『ハイ&ロー』『クイズダービー』の4本と、9月に『ウルトラマン』『火の鳥・宇宙編』ということまでしか判明しませんでした。さまざまなメディアを調べたものの、1983年に『チョロQ ホリデーパズル』がリリースされた様子を見つけることは出来ず……。それらから考えると、恐らくは1984年にリリースされたようですが、残念ながら何月に発売されたかまでは分かりませんでした。そんな本作には、マニュアルに簡単なプロローグが書かれていましたので、まずはそれを紹介します。

 あの人気のキャラクターチョロQが、ちょっと面白いパズルになりました。カラフルなイラストレーションと3色の画面により、コマを動かすたびに色と形が不思議な変化をします。さあ君もチョロQにチャレンジしよう!!

難易度は全部で4段階あって、左上から順にBEGINNERの3×3分割、JUNIORの4×4分割、SENIORの5×5分割、PROFESSIONALの6×6分割となります。6×6になるとパネル1枚も小さく表示されるので、RGBのどの部分のパネルがどこにあるのか、が分かりづらくなります。

 プレイヤーは、画面に表示されたスライドパズル(いわゆる15パズル)を組み立てて、元の絵と同じ状態に完成させるのが目的となります。収録されているイラストは1枚のみで、テープからのロードは1,200ボーで約11分ほどかかりました。

 読み込みが終わると元となるCGが描かれ、続いてコース(難易度)をf・1“BEGINNER”、f・2“JUNIOR”、f・3“SENIOR”、f・4“PROFESSIONAL”の4つから選びます。BEGINNERではパネルが3×3に、JUNIORでは4×4、SENIORなら5×5、そしてPROFESSIONALは6×6に分割されるので、この手のパズルを得意とする人ならば、いきなり6×6に挑戦するのも面白いかもしれません。難易度を選択するとパネルの並べ替えが始まり、それが終了したところでf・1キーを押すとゲームスタート!

 通常のスライドパズルであれば、空いているマスに分割されたパネルを移動させていくのを繰り返して完成を目指します。しかし『チョロQ ホリデーパズル』では、1枚のパネルがRGBの3層に分かれて配置されるというシステムでした。つまり、パネル1枚につき青の層・赤の層・緑の層と3枚が積み重なっているのです。パネルを移動させる際には、まずf・3キーを押して青・赤・緑の色を選択します。色を決めた後にテンキーの2、4、6、8を押すことで、空いているマスに選択した色のパネルが移動するようになっていました。文字で見るとややこしそうですが、実際にプレイすると即座に理解出来るかと思います。

画面左上からスタートするチョロQは、時間経過とともに少しずつ右へと移動します。右上から右下へと落下するとタイムオーバーとなりますが、そうなればRGB別に表示出来るヒント画面を見ることが出来るように。

 本作の難しいところは、最初は空白のマスがわかりやすいものの、色を変えながらパネルを動かしていくうちに各層ごとの空いている場所が変わってしまい、空白マスの部分がどこにあるのかが見づらくなってしまう点でしょう。

 しかも、プレイ開始と同時に画面左上から右へと向かってチョロQが少しずつ進んでいき、落ちるとタイムオーバーになってしまうというギミックも用意されていました。首尾良く時間内にクリアできれば、完成図左上の部分に描かれている吹き出し内の絵が別のグラフィックに変わるというご褒美が待っています。

 タイムオーバーになったからといって、なにかペナルティがあるわけではありません。むしろ、タイムオーバーになることでヒント画面を見られるようになるので、ある意味ではありがたいとも言えました。ヒント画面では、f・4キーを押すごとにf・3で選択している色だけを表示してくれるので、その層ごとにどんな状態になっているのかが確認できます。ヒントをこまめにチェックしながらであれば、何とかクリアへの道筋が見えてくるというもの。

左上の吹き出し内部に見える絵は、タイムオーバーになる前に絵を完成させることで変化します。筆者は制限時間内にクリアできたことがないので、何に変わるのかは分かりません(笑)。

 ヒント自体は何度でも使用が可能ですが、どうしても解けないとなったらf・5キーを押すことでリタイアとなり、コンピュータが自動的にイラストを完成させてくれるのを眺めることができました。それはそれで悔しいので、終了後にスペースキーを押すともう一度ゲームをプレイするかどうかを聞かれますので、yを押せば再チャレンジが出来ます。ちなみに、nを押すと「ホントに良いのか?(意訳)」と念を押されますので、さらにyと答えるとBASICの画面へと戻り終了に。もちろんリストは消えているので、“LIST”と入力しても見る事はできませんし、“RUN”しても始まらないので再ロードしなければなりません。

 パッケージの裏には完成図が掲載されているので、それを見ながら進めれば全体的な配置で悩むことはないかと思います。しかし、RGBそれぞれに分かれたパネルが関係のないパネルと重なっていたりすると、それだけで「どこのパネルなの!?」となり混乱するなど、なかなか秀逸なシステムだなと感心したものでした。マニュアルにはワンポイントアドバイスとして「分割された部分ひとつずつについて、3層(3色)を合わせていく」と「1層(1色)ごとに、イラスト全体を合わせていく」という方法が書かれています。最初は前者の方法でプレイして、慣れてきたら後者でのプレイをオススメするとあるので、挑戦する人はそれに従って試してみるのがよいかもしれません。

 本作は出回った数が少なかったようで、オークションやフリマサイトなどで見かけることはまずありません。そのため、このユニークなシステムで遊びたいと思っても機会を見つけるのが大変かもしれませんが、パズルゲームが得意な人にはぜひプレイしてもらいたいものです。

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