ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

決定的瞬間を撮影しろ!ハドソンソフト X1版『あなたは名カメラマン』

この時期のハドソンソフトのパッケージとしてはお馴染みの、カセットテープケースが採用されていました。同じタイミングでリリースされた作品は、定価が3,200円と3,800円の2パターンありましたが、本作は3,200円となっています。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回は、1983年にハドソンソフトから発売されたカメラマンゲーム『あなたは名カメラマン』を取り上げます。

この時期のハドソンソフトの広告は、ゲーム画面ではなくイラストを掲載したパターンが多かったです。左は月刊誌『Oh!MZ』1983年5月号、右は6月号に掲載された広告ですが、ゲーム画面を採用しているのは6月号の右側ページだけでした。

 1980年代前半にパソコンが少しずつ普及してくると、それに伴いソフトへの需要も高まっていきます。それは実用分野だけでなく、ゲームソフトも同じでした。そこで、いくつかのソフトハウスが多種類のソフトをリリースするようになっていくのですが、ハドソンソフトもそのうちの1社でした。多機種のパソコンへと数多くのゲームソフトを発売していましたが、1982年も終わりが見えてきた頃に市場デビューしたシャープのパソコン・X1へもソフトを供給していくこととなります。

 1982年末には早くもX1対応ソフトを広告に発表していますが、1983年3月下旬から4月上旬にかけて登場したのが、今回取り上げた『あなたは名カメラマン』。1983年4月18日に発売されたソフトバンクの月刊誌『Oh!MZ』に“新発売”として広告が掲載されているので、この時期の発売で間違いないかと思われます。

タイトル画面では、動物ごとの点数と操作方法が表示されます。マニュアルも付属していないので、ここでチェックしておきましょう。

 タイトルに“名カメラマン”などと付いていると、アイドルをパパラッチしてスクープ写真を撮る!というようなゲームを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、本作はもっと牧歌的な内容になっていました。今回使用したX1版のパッケージには「IPLより起動してください」の一言しか書かれていませんが、広告にはちょっとしたストーリーが記されていたので、そちらを紹介しましょう。

 あなたは編集長の命令で、動物写真を撮りに森に行くことになりました。決定的瞬間をとらえなくてはなりませんが、フィルムはたったの18枚。さて、あなたは名カメラマンになれるかな?

ゲームが始まると、森のあちこちから動物たちが顔を出します。ウサギやイノシシは画面左右の道から現れるほか、キツツキやシカなどは特定の位置に出現するので、そこを覚えておけば確実に撮影できます。

 プレイヤーは編集長に命令された部下として森へ出掛けて、動物たちの決定的瞬間を撮影するのが目的となります。この時代は当然ながらフィルムカメラしか使われていませんでしたので、撮影枚数も限られている中でのプレイとなっています。カメラにセットされたフィルムは18枚なので、その枚数内でベストショットを撮る必要がありました。

 タイトル画面では操作方法と撮影した動物ごとの得点が表示されているものの、何をどうすればステージクリアになるのか、どうなるとゲームオーバーなのか、といった情報はまったくありません(笑)。この時代のゲームなので、基本的にはプレイして学べ!というスタイルになっていました。

 スペースキーを押してゲームを始めると、場面は一転して森と思われる背景がモニタに映し出されます。画面中央に表示されている“+”の印がファインダーで、そこを中心とした四角い枠内がフィルムに映る範囲となっていました。プレイヤーはファインダーをテンキーの2、4、6、8またはジョイスティックで操作して、動物をファインダー内に捉えたと思ったらスペースキーで撮影を行います。今のようなデジタルカメラではないので、撮影した時点では動物たちがどのように写っているのかはわかりません。

見事に動物を中央で撮影することができれば、得点が倍に。中には、ボーナスポイントの動物もいます。40点の動物だけを狙いまくってハイスコアを目指すか、撮影しやすい10点の動物をジャストショットして稼ぐか……。

 18枚撮りきるか、朝の7時を迎えると撮影は終了になって現像が始まり、撮影した写真が左上から順番に並べられていきます。ここで初めてどのように写っているのかがわかるのですが、動物が見事写真の中央に写っていれば(ジャストショット)獲得となり、得られる点数が倍に!全身が無難に入っていればタイトル画面で書かれていた得点が、それぞれスコアに加算されます。このときに18枚の撮影スコアが100点を下回った場合、ノルマを満たせなかったということでゲームオーバーとなってしまいました。無事に100点以上をゲットすると、再び18枚フィルムが装填されたカメラで動物たちを撮影しに出掛ける(=次の面へ進む)こととなります。こうして、どれだけ高得点を取れるのかを競っていきました。

 肝心の動物たちですが、鳥は画面左右から出現して一定方向へ移動していくほか、木に止まっていたと思ったら上空へと飛んでいったり、ほんの数秒しか姿を見せない種類も存在します。出現位置はほぼ決まっているので、そこにファインダーを移動させて待っていれば良いのですが、そのまま待ち伏せしていたのでは確実に撮影できる他の動物を見捨ててしまうこととなり、100点すら取れずにゲームオーバーになってしまう危険性も。かといって、他の動物を撮影しようとファインダーを動かした時に限って動物が現れたりするので、「なんでじゃー!」などと思わず声を上げてしまうこともありました。しかも、出現頻度は完全なランダムのようで、動物がまったく出現しないままゲーム内時間で1時間、2時間と経過してしまうこともあります。そうなるとゲームオーバーを回避できるかどうかは、いかにして数多くジャストショットで動物を撮影できるか、にかかってきました。

午前1時から始まった撮影も、朝の7時で終了となります。果たして、一晩でどれだけスコアを稼ぐことができるでしょうか。なお、ゲーム開始時から終了まで背景が暗いままなのは仕様です(笑)。

 本作の惜しいところは、ステージを重ねても背景グラフィックや出現する動物、難易度などが変わらないところです。そのあたりが少し工夫されていれば何度も遊べる作品になったと思われるだけに、今だと少々残念に思えてしまう完成度でした。とはいえ3,200円というお手軽価格を考えれば、当時としては十分に楽しめたかと思います。今でも、大勢で集まったときにハイスコア争いをすれば、盛り上がれる1本になることでしょう。

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