ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

実は手強い!ハル研究所のコミカルタッチアクション『ぶた丸パンツ』

MSX仕様のカートリッジよりも2周りほど大きなパッケージに、ほのぼのとしたタッチのイラストが描かれています。ゲーム内容をうまく絵で表現していて、遊んでから見ると間違いなく感心するかと思います。実際にプレイすると、こんなにほのぼのしていませんが……。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げるのは、1983年の秋にハル研究所から発売された少々難しめのアクションゲーム『ぶた丸パンツ』です。

手元の広告では、数多くの作品とともに『ぶた丸パンツ』も掲載されていました。

 現代のアクションゲームは、数多くのボタンを使って複雑な操作をしながらストーリーを先へと進めるものも少なくありません。しかし、1980年代前半のアクションゲームといえば、まだまだシンプルな操作方法で牧歌的なゲームを楽しめたものでした。そうして生み出された作品の中には、非常に優れたバランスを保っていて現在でも十分に面白いタイトルが少なくありません。

 そんなソフトのうちの1本が、今回取り上げたMSX用タイトル『ぶた丸パンツ』です。かわいらしいストーリーが用意されていますので、まずはそれを紹介しましょう。

 主人公は子豚のぶた丸!?いじわるな「雷のパンツ君」が落とす卵をどんどん受けとめて、赤い卵なら投げ返してやっつけよう!

 でも卵に熱中していると今度は横から「ちりとりオジサン」が……。卵の殻と一緒に掃除されないようにジャンプ!ハラハラドキドキのギャグゲーム。

タイトル画面とデモ画面です。デモ画面の左右に描かれているぶた丸とパンツ君が左右に移動して、タイトルロゴを作っていきます。右下には、製作者の名前と思われる“by yanada”との署名も書かれていました。

 プレイヤーは子豚のぶた丸をカーソルキーの左右またはジョイスティックで操作して、雲の上にいる“雷のパンツ君”が落としてくる白い卵をフライパン(パッケージイラストでは、取っ手の付いたザルに見えますが)で受け止め、左右の土管に入れます。1つ入れるごとに画面下に並んでいるヒヨコのアイコンが1つずつ明るくなっていき、全部で15個の卵を入れれば1面クリアとなります。なお、赤い卵は土管に入れてもカウントされません。

 卵は、頭上高くに位置している雲の上から落とされるので、上の方ほど重力による加速がついて落下してきます。そのため、ぶた丸が当たってしまうと痛いどころではなく、ミスになってしまうのでした。また、地面には出っ張った石があって、これに当たると躓いて一定時間気絶して動けなくなってしまいます。ただしミスにはならず、スペースキーを押してジャンプで回避が可能です。

ゲームを始めると、上空からパンツ君が卵を落として来ますので、フライパンでキャッチして左右の土管まで運びます。石に躓いても卵を割ることはないので安心ですが、その間に頭上から落ちてきた卵にあたってしまうとミスとなります。また、あまり卵に近い位置で受け止めようとすると、卵がぶた丸に当たってしまうことも。この距離感には、何度もプレイして慣れるしかありません。

 パンツ君が落としてくる卵には、白と赤がありました。赤い卵をキャッチしたときには、カーソルキーの上で投げ返すことができます。このとき、パンツ君に当てることができれば逆さまになりながら落ちてきて、地面に激突して血まみれの演出が出れば1,000点を獲得。しかし、その前にミスをしてしまうと点数は入りませんのであしからず。

 白い卵を投げ返すこともできますが、少ししか上昇しないためパンツ君に当てることはできません。また、落下してくる卵にぶつけて消すこともできました。

ちりとりオジサンは、前触れ無く左右どちらかの端から現れて、一定の速度で反対側へと走り去っていきます。攻撃手段はないので、ジャンプでかわすしかありません。ただし、3段階目まで大きくなってしまうと、ジャンプでも避けられずミスに。

 赤い卵でパンツ君に反撃しながら白い卵を左右の土管に届けて、15個のノルマをクリアすればクリア時間に応じたボーナスをもらえて1面終了となります。続いての2面では石の数が2個になるため、ジャンプを駆使する必要がありました。さらに3面になると石が3つに増えるだけで無く、地面の下をモグラが動き回るように。モグラは時々地上に顔を出すのですが、このときにぶた丸が触れてしまうとミスになるので、顔を出したところでカーソルキーの下を押してフライパンで叩けば、800~1,200点が獲得できました。このときフライパンに卵が乗っていた場合は、ぶた丸が器用に卵を空中に放り投げてモグラを叩くので、動かなければ再キャッチが可能です。

赤い卵をキャッチしてカーソルキーの上を押して投げ返し、うまくパンツ君に当てて地面に激突させられれば1,000点獲得です。

 しかし、なんといっても厄介なのが、画面の左右から前触れ無く出現する“ちりとりオジサン”でした。画面端から出現して、そのまま反対側まで地面に落ちた卵と殻を掃除しつつ一直線に移動していきます。もちろん、触れるとミスになるのでジャンプで避けなければならないのですが、卵を届けるために左右の土管付近にいるときに出現されると避けようが無く、問答無用でミスに……。しかも、ちりとりオジサンは卵の殻を回収するごとに最大3段階まで成長していきます。2段階目まではジャンプで避けられるのですが、3段階目では回避不可能となり強制ミスになってしまうのでした。

 こうして3面をクリアすると1周となり石の数が1つに戻るのですが、パンツ君が5人に増えて落とす卵の数も大幅増加となるため、難易度も大きく上昇します。ただし、10,000点を超えればぶた丸が1匹追加されるので、そこまでは頑張ってプレイしたいところでしょう。

途中で別の卵に当たってしまうと、両方とも割れてしまいます。これを利用して、地面に卵の殻をまき散らさないという高等テクニックも。

 画面だけを見れば非常に牧歌的で緩いアクションゲームなのですが、いざプレイしてみると非常に忙しく、初プレイでは1面クリアも難しいかもしれません。赤い卵を投げ返してパンツ君に当てれば1,000点なので、白い卵を無視して赤い卵で反撃しまくっていると“ちりとりオジサン”がすぐに大きくなって避けられなくなるほか、土管に卵を運んだ矢先に出現したちりとりオジサンと接触してミスになるなど、欲張らずに慎重な行動が要求されます。それでも、赤い卵を見事パンツ君にヒットさせたり、モグラの頭をフライパンで叩いて退治できたときの爽快感を知ってしまうと、ついつい何度も遊びたくなってしまうもの。素早い頭の回転と正確な指の動きが要求される、アクションゲーマーなら熱くなれる1本に仕上がっていました。

3面になると、地面からモグラが現れて邪魔をしてきます。ちりとりオジサンと違い、カーソルキーの下を押してフライパンで殴れば倒せるので、積極的に攻撃していきたいところ。この先、どんどん難しくなっていきます。果たして、あなたはどこまで点数を伸ばすことができるでしょうか?

 1人でプレイすると少々寂しいですが、何人かが集まったときに大勢で遊べば、熱いハイスコア争いが楽しめるのは間違いありません。オークションやフリマサイトでも時々見かけますので、興味が出た人はぜひ手に入れて遊んでみてください。

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